空き家コラム

民法第717条　土地の工作物等の占有者及び所有者の責任について

takasaki-akiya 2023年2月22日

こんにちは！

今回は民法第717条について書きます

民法第717条とは？

この条文は土地の工作物等の占有者・所有者が負担する不法行為責任についての規定です

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる

例えば、空き家の管理ができないまま放置し、老朽化により家や塀の崩壊を招いてしまったとします。

崩壊した際、通行人に怪我を負わせてしまいました。

さて、誰が怪我に対する賠償を行うのでしょうか？空き家には利用している占有者はいないので、

当然、空き家の所有者が賠償責任を負うことになります。

しかし、空き家の所有者にも言い分がありますよね。相続したがどうしたらいいかわからなかった、高齢でなかなか管理ができなかった、遠方で状況を知らなかった等々…

で　す　が！

こちらの条文は所有者の無過失責任を定めたものと解されています

無過失責任とはなんでしょう？

加害者に故意や過失がなくても民事責任を負うことを言います。

そうです。つまりは知らなかったでは済まされないということです

空損害賠償を請求されたり、相手が死傷してしまった場合には刑事責任にも問われる可能性があります

このような事態を招かないためには、空き家の管理は定期的に、適切に行わなければなりません。